パルス磁場は定常的には不可能な領域の強磁場発生が可能であり、物質材料研究において重要な役割を果たしている。
パルス磁場中物性実験においては瞬間的なシングルショット測定が必要となるため測定技術に工夫が必要であるが、
近年の測定技術開発によって、従来困難であった様々な測定が60テスラから600テスラの強磁場領域で可能となっている。
これらの技術を多彩な対象物質に応用すれば、磁場誘起相転移などの興味深い現象の発見が期待される。
その一方で、パルス磁場の経験がない研究者にとってパルス磁場実験は技術的にハードルが高く、強磁場利用の機会を
実質的に制限する要因となっている可能性がある。
本ワークショップは、最近開発されたパルス磁場中測定技術について応用例とともに紹介し、今後の研究展開について
様々な専門性を持つ研究者と議論することを目的とする。さらにそれに加え、パルス磁場実験技術のチュートリアルな
講演を実技も含めて企画し、パルス磁場利用の促進をはかる。開催形態は講義のみハイブリッドとし、
現地参加は先着50名までとさせて頂く。ISSP Workshop「パルス強磁場における物性測定技術の最前線」
また、現地参加の申込みは5/31までとさせて頂きます。
横型一巻きコイル装置(横型STC):東京大学物性研究所
開催期日 2023年6月22日、23日
参加申し込みはこちらから
プログラム 2023.6.6 更新 (PDF Download)
6/22 (木)
座学 9:00 ~ 12:00 A棟 6F 大講義室
【座長:松田 康弘 (東大物性研)】
9:00-9:05 所長挨拶 : 廣井 善二 東大物性研
9:05-9:10 はじめに : 金道 浩一 東大物性研
9:10 -9:30 非破壊型パルスマグネットを使った物性研究: スタッフとユーザーの立場から 石川 孟 東大物性研
9:30 - 9:50 破壊型パルスマグネットを用いた物性研究 石井 裕人 東大物性研
9:50- 10:10 パルス磁場中での精密熱測定 今城 周作 東大物性研
break 10:10-10:30 (20 min.)
【座長:徳永将史 (東大物性研)】
10:30 - 10:50 パルス磁場中での磁化測定と試料温度の同時測定 三宅 厚志 東北大金研
10:50 - 11:10 パルス強磁場下における超音波測定 野村 肇宏 東京電機大
11:10 - 11:30 FBG入門:パルス磁場下におけるファイバーブラッググレーティング(FBG)を用いた磁歪計測について 池田 暁彦 電通大
11:30 - 11:50 パルス強磁場下における偏光顕微イメージングおよびテラヘルツ分光 木下 雄斗 東大物性研
11:50 - 11:55 まとめと実習の説明 松田 康弘 東大物性研
11:55 - 12:05 写真撮影
実習 13:00 ~ 18:30 C棟
<非破壊実験デモ>
A1 mid pulse 磁気抵抗 担当:小濱芳允(東大物性研)、下起敬史(東大物性研)
A2 mid pulse 分極 担当:三宅厚志(東北大金研)、木下雄斗(東大物性研)
<破壊実験デモ>
B1 横型STC ファラデー回転 担当:野村肇宏(東京電機大)、Yang Zhuo(東大物性研)
B2 縦型STC 磁化 担当:石井裕人(東大物性研)、周 旭光(東大物性研)
4ヵ所同時進行
13:00 - 15:30 前半 A or B
休憩
16:00 - 18:30 後半 A, B 入れ替え
19:00 - 21:00 懇親会
県民プラザ さわやかテラス (物性研から徒歩15分)
6/23 (金)
実習 9:00 - 11:30 C棟
A(非破壊)、B(破壊)プログラムそれぞれについて、担当者の指示に従って実習を継続。
・Q&A
・データ整理
・後片付け
・アンケート提出
世話人 東大物性研 金道浩一、松田康弘、徳永将史、小濱芳允
問い合わせ先 ymatsuda_at_issp.u-tokyo.ac.jp